本当の幸(さいわい)とは?〜宮沢賢治、永遠のテーマ

あなた国語の先生ですよね?

そう確認されそうなことをお伝えします。

私、毎回挫折していたんです。

何をか?「銀河鉄道の夜」を読むことに、です。

宮沢賢治の代表作だし、後世の色々な作品に影響を与えているし、何と言ってもタイトルは心惹かれるし・・・そう思って何度も手にして読み始めるのですが、毎回同じところでストップしちゃっていました。

〈この先はネタバレになりますので、内容がわかってもよい方のみ読み進めて下さいませ。〉

主人公のジョバンニがアルバイトを終えて帰宅して病気で横になっているお母さんと会話するその辺りで、まずは気が重くなります。でも頑張って

お母さんに届くはずの牛乳が届いていないので取りに行くのですが、そのシーンが暗すぎて先に行けなかった・・・

また、わけのわからない言葉もたくさん出てきます。

ケンタウル祭、からすうりのあかり、ラッコの上着、などなど・・・

イメージしにくいままに読み進めるのは、「わからない」上に「わからない」が乗っかってしまい、もう何が何だか,という感じ。

ところが!!!今回読了致しました!!!!

読む気力はなかったのでYouTubeで流れる読み聞かせを聞いてみたのです。色んな方が読んでくださっています。

皆さんお上手なのですが、バックに流れる音楽🎵に心が奪われました。

それが、昨日ご紹介した「星のめぐり」です。昔懐かしいような優しい響きのメロディです。

すると内容も自然と入ってきました。

さそりの赤い火のお話は私の大好きな「よだかの星」と似てるなぁと思いました。

そして、何度も何度も「さいわい」という言葉が出てきます。「さいわい」はやはり私の好きな言葉ですので、心が惹きつけられました。

そうやってやっと行きつ戻りつしながら「銀河鉄道の夜」を最後まで読めました❣️

古典の物語よりも難しかったと言ってもよいかもしれません。が、同時に何としても令和の今、子どもたちばかりか大人の皆さんにも伝えたい❤️と思うに至っています。

そこには「誰かが不幸である限り、わたくし個人の幸せはない」という賢治の根本的な考えがあります。

そして、主人公の敬愛する友人であるカンパネルラの生き方、鉄道に乗ってきた女の子の話す「さそり」の気づき。

どちらも、自己犠牲を問いかけられているように見えます。

果たして自己犠牲は尊いのか⁉️

これはススメたい生き方ではありません。

できることなら、ひとも生かして自分も生かす、

もっと素敵なのは、自分を生かすことでまわりのみんなも生かすことができる、そんな生き方です。

「銀河鉄道の夜」で主人公ジョバンニは、銀河鉄道から降りたあと(夢から醒めたあと)、悲しい事実を知ることになります。ここで私たち読者も「そういうことだったのか‼️」とそれまで不可解に思っていたこと、なんだかよく分からなかったことが解明されるわけです。

実は、その悲しみというのは、通常では耐えがたいことでした。あって欲しくないこと、とも言えます。

しかし、ジョバンニは最後には、それを吹っ切るように現実に立ち戻って、愛するお母さんのもとに急いで帰って行くのです。

そのジョバンニの行動は色々に解釈することができると思います。その解釈の仕方、そこにあなたご自身の人生が反映されていく、そう思います。

私がなかなか読み通すことのできなかった「銀河鉄道の夜」は、本当の幸(さいわい)を求めつつ、生き方そのものを問いかける壮大なストーリーだと言えましょう。

あなたはどんな生き方を選択なさいますか?

あなたにとって「本当の幸(さいわい)」とはどんなことですか?

いつ、どこで、誰と何をすることがあなたの本当の幸でしょうか?

この一度きりの人生で何を掴みますか?

宮沢賢治の問いかけに応えていけるように、今新たな祈りに似た思いを抱いている私です💖